安曇野の絵本美術館「森のおうち」へいったのは、
いせひでこさんの絵本「にいさん」の原画がみたかったからです。

絵本「にいさん」の原画はすべて横長の絵で、
つやをおとした鉄枠の中におさまり、
話にそって横に横に丁寧に展示されていました。
それはのびやかで綺麗な景色がつながっているのでした。
いせさんは、夫の柳田邦男さんとともにこの絵本美術館「森のおうち」を深く愛していらっしゃるそうで、
展示の仕方にもいせさんの意向が充分に反映されているように感じました。

濃青の世界、そこは
兄ゴッホと弟テオのせつないまでの生きる苦悩にみちているのですが、
所々に、ぱあっとひまわりの黄金色が指す。
ほんとうにあざやかな黄金色。

テオの回想する、幼い頃のオランダでの風景が、とても美しい。
空はひろく、小麦の穂はどこまでも続き、
幼年のゴッホとテオは手をとりあい、風をまとい、輝いているのでした。
それは大人になるのが残酷におもえてしまうような愁いを含んだ優しい景色。


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ルリユールおじさん」の続編ともいえる「大きな木のようなひと」のさえらにも会えました。
赤いななめがけバックをしたさえらは、植物園の中でいきいきと時をを謳歌していました。
(それにしても、この本のなかでソフィーがあらわれたときは感激でした.....。)

あと新作「あの路」の原画が数点。
この本、山本けんぞうさんとの共作ですが、
神々しさを感じました。神様がいる、っておもった。



期待以上に感動した、迫力ある原画展でした。
いせさんの力強い創作性に、作品ごとに引き寄せられます。


2009.9.6






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