もう30年近く続いているという、小学校のよみきかせの会のステージが
とても魅力的で、
定期的に開かれていたおはなしの会には、私もできるだけあしを運んで楽しませてもらっていました。
メンバーは気の知れた友人ばかりなのだけど、
会のときの彼女達は、圧倒的なオーラをまとったアーティストに様変わり。
大型絵本、人形劇、紙芝居、パネルシアター、スライドショー、さまざまな方法を駆使して、
笑いあり、涙ありのすばらしいステージをみせてくれて、
毎回毎回、絵本の世界に深く入り込ませてくれ、感動をあたえてくれるのでした。

友人達をさそって、今年度からわたしも参加させてもらっています。

絵本のもちかた、見せ方もままならないままのスタート。
こんなんでいいのかなあ、と友人達と冷や汗かきながらも、(笑
あらたな世界をたのしんでいます。






小学校で“読書旬間”というのがあって、積極的にこどもたちの読書推進をしています。
5月某日、
授業がはじまる前の朝の15分、各学年の教室に会のメンバーが入り、絵本を読んできました。
わたしにとってはじめてのよみきかせは、2年生のクラスで。

絵本選びはとっても悩んだけれど、それがまた楽しいのですね。
(昆虫の写真絵本にしようかと思っていたけど、グロイと友人が涙を流してイヤがったので却下。苦笑)
おなかがすいちゃいそうな絵本にしよう、
みんながどんな顔するかな、
と楽しみにおもった“おだんごスープ”にしました。

このおはなしには、おじいさんがスープの作り方を思い出す歌がくみこまれています。
後輩1年生が入って間もない時期、少しお兄さんお姉さんになったものの
まだまだ甘えたい時期であろう2年生のこどもたちにとって、
ちょっとした子守唄のようにきこえたらいいな、とおもって読み進めました。
おはなしがおわると、みんなの表情がにっこりしていてうれしかった。

翌日給食に“おだんごスープ”がでたそうで、
「絵本のおじいさんのおだんごスープものみたいね」とこどもたちが言葉をかわしていました、と
後日担任の先生が教えてくださいました。
ああ.....じんわり。涙







6月某日
今度は友人達と一緒に、3,4年生のクラスへ。

最初は、落語絵本「まんじゅうこわい」。
町内の若者が集まった席で、みんなが“こわい生き物は何か”といい合っているなか、
ンなへびだのおばけだのけむしだの、こわいこわいなんて情けない、とばかにする松っつあん。
そんな松っつあんの唯一苦手なモノは“まんじゅう”だという。
若者たちは、そんな松っつあんの枕元に山盛りのまんじゅうを置いて、仕返しをする。
しかし、ふすまの向こうで「こわいよ〜、まんじゅうこわいよ〜」という松っつあんの声はなんかおかしいぞ...。
......悪ガシコイ松っつあんのおはなし。

わたしは松っつあんの声役をしたのだけれど、
見ていた娘が、帰ってくるなり「おかあさん、ちょっとわたしはずかしかったよ。」というのでした。トホホ。笑


「ゆうびんやさんおねがいね」は、
コブタくんがとおくに暮らすおばあちゃんに、“ぎゅっ”をとどけたい、というので、
郵便屋さん、仕分け係、飛行機の操縦士、配達士、みんなが“ぎゅっ”をリレーして
おばあちゃんに届ける、というあったかなおはなし。
おはなしが終わると、ちょっとてれくさそうな表情をみせるこどもたち。
それがまたかわいいのでした。




よみきかせ、というあらたな方面から絵本をみていると、
今までとまた違った見方で絵本にふれあうことができるのに気づき、とてもたのしいです。
以前は「よみきかせ」という、とくに“きかせ”という言葉がなんかしっくりこなくて、
おしつけがましさや違和感を感じたりしていたのだけれど、
そんな言葉ひとつで距離をおいていたなんて、
なんてもったいないことをしていたんだろう、と今思っています。
大切なのは、やることの名称じゃなくて、やること、そのもの。
実際みんなの前でお話をよんでいると、よんでいるこちらの方の気持ちが満たされるのを感じます。


これからも、聞いてくれるひとたちにもっともっとおはなしを楽しんでもらえるように、
わたし自身もおはなしの世界を楽しんでいきたいとおもっています。



2008.6.30



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