「はちうえはぼくにまかせて」
ジーン・ジオン さく マーガレット・ブロイ・グレアム え
もり ひさし やく ペンギン社
図書館などでよんでいて、「なつやすみ」というと思い出す大好きな絵本で、
今年古本で買い求めました。
1981ねん初版。
どろんこハリーがやまぶき色とよもぎ色で描かれていたのにくらべて、
この絵本はよりまぶしい鮮やかな夏が感じられる水彩の青、グリーン、黄色で彩られています。
トミーは、なつやすみにはちうえのせわをすることにしました。
近所のひとのはちうえを。それも植木鉢一個一日2セントで。
家の中は大量のはちうえに埋めつくされます。
おかあさんはびっくり、おとうさんはうんざり。
トミーはそんな大人たちを「なつやすみはどこもいかないから、
すきなことをしていいっていったでしょ」と、さらりとかわします。
なにせトミーは、使命感ももち、たいへんはりきっていますので、
毎日植木がのびて家の中を占有していくのが、おもしろくてしかたがありません。
はちうえにかこまれてのあさごはん、
テレビをみるのは、ジャングルのおくで映画をみているよう!
そのうち、トミーにはしりたいことがうまれてきた。
そして植木の勉強をします。(表紙の絵のようにね!)
やっとみたいとおもっていた本をみつけ、園芸店にはしり、
行動にうつします。剪定をやってのけるのです!トミー、ブラボー!
心の中のわくわくを行動に移していくトミーの日々が、
トミー自身をひとまわりもふたまわりも成長させます。
お話の中のトミーはぜんぶにっこり笑顔でエネルギーに満ちています。
こんななつやすみ、一生のたのしい思い出になるにちがいありません。
我が家の息子は、トミーが剪定後のきりおとした枝を小さな鉢に植えかえて鉢をふやしていくページが
とてもドキドキするのだ、といいます。
けだるいおとうさんや、やきもきするおかあさんの姿は、親としては素直なスタンス。笑
でも最後にはトミーにとびっきりのごほうびがまっています。
トミー、たまらなくかわいいです!
原題は「The PLANT SITTER」。
「はちうえはぼくにまかせて」という日本語題はとってもすてき。
ながい夏休みを有意義にすごしていくのに、トミーから学ぶ事大だと思います!
2008.7.30