「しろいうさぎとくろいうさぎ」
ガース・ウイリアムズぶん/え まつおかきょうこ やく 
福音館書店
うさぎたち、ふわふわだ。
うずくまったときも、全身をかろやかにのばして駆け回るときも、
ふわふわのかたまりの姿がやわらかい。
おなかをもって抱き上げたら、きっとやわらかであたたかいのだろうな。
でもかれらの間にわたしの入る余地はない。

ひなぎくやきんぽうげののはら、くろいちごのしげみ、
かれらにはかれらだけ時間とたいせつな場所がある。

あさひと共に草原へとびだし、
クローバーくぐりやどんぐりさがし、ひなぎくとびをしてすごす。
くろいうさぎがちょっとかなしくなったり、ふあんになったりするのは、
こんな楽しい毎日をいつまでもしろいうさぎと共にすごせるのか心配になったから。

華やかでなくとも、つつましいしあわせを実感したとき、
それを失う恐さともとなりあわせの時間がはじまる。
確実なものはなにもないけれども、
お互いをたしかめあって暮らしていくことは素敵なことだとおもう。

さいごまで優しい空気がただよっている。
墨色に、たんぽぽやひなぎくの少しひかえめな黄色が印象的。
もしかしたらどこかにこんな動物の世界が存在しているかもしれない。
思いを馳せるとなんだかふうっと安心してしまう。

昨年のクリスマスにまみいさんからいただいた、大切な一冊。



03.8.26



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