くじらぐも





娘がもらってきた国語の教科書下巻のなかに
懐かしいおはなしをみつけました。





「くじらぐも」
こどもたちが校庭で体操をしています。
空にうかぶくじらのカタチをした雲も体操をはじめます。
みんながくじらぐもの「おうい」と声をかけると、くじらぐもは
「ここへおいでよう。」とみんなをさそいます。
男の子も女の子も先生も、くもにのって空の中をすすんでいくのです。

私も小学校のとき、国語は光村図書の教科書でした。
あたらしい教科書をもらった日は、国語の教科書をもらうたびに、
お話を読むのを楽しみにしていました。
長い年月がたって、娘の教科書をひらいて、
自分達が読んできたお話とおんなじお話がのっていることに驚き、
懐かしさで胸がいっぱいになりました。

このおはなし、文は「ぐりとぐら」のなかがわりえこさん、
絵は「どうぞのいす」の柿本幸造さんです。
こどものときに得た「絵の印象」というのは、いつになっても消えないものです。
まずわたしの頭の片隅にある記憶の断片をひきだしたのは、やはり、
秋晴れの青い空にうかぶくもの絵でした。







「はなのみち」
一年生の国語上巻にのっていました。
この柿本さんの絵も、あまりに懐かしくて。

子供の本の探偵をやっておられるあかぎかんこさんという方が、
「この本読んだ?おぼえてる?」という本の中で、
懐かしい国語の教科書の中のお話をあつめてくださっています。
読んでいると見事にタイムトリップしてしまうのです。








秋の空には、さまざまな表情のくもが浮かんでいます。
夏のそれとは絶対的に違う。
娘も大きくなったなあ、とおもいながら、
そんな空をあらためてゆっくり眺めています。



2005.9.14




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