ぼんやりとした夏だった。

ぼんやりとしているうちに、
おばあさまは天国へいってしまった。

どうして夏というものは総括したくなってしまうのだろうか。

「今年の夏」が何色をしていたのかは、
きっとしばらく時がたってからしかわからないに違いない。











ひとあし先に胡桃の幼稚園ははじまり、
プール参観があった。
「ママみて〜」といって、
輪くぐりをしたり、ラッコのまねをしたり、水に顔をつけたり必死だ。

夏のあいだに１回だけ胡桃とふたりでプールに行った。
そのときと全然違う表情をしているなあ、と思った。

参観が終わってばいばいしたうしろから
「ママー、きてくれてありがとうー、おしごとがんばってねー。」と
絶叫する胡桃の声が聞こえた。

夏休みのあいだ、あまりむきあってやれなかったな。
子供達の夏は何色だっただろう。







2002.9.2.

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