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昨年末からずっと胡桃が欲しいといい続けていた1册。
この愛嬌たっぷりのぶたぶたくんの姿にひかれたのか、「ぶたぶたくん」というネーミングが響いたのか、いずれにせよ、彼女はじめての「ジャケ買い絵本」(?)となった。
ぶたぶたくんが買い物を頼まれて、お歌を歌いながらパンやさんへ。
途中でかあこちゃんとこぐまくんと出会い、一緒にやおやさんとおかしやさんについてきてくれる。
「3にん なかよし、3にん よれば、ぶたぶた かあこお くまくま どたじた
どたあん ばたん......」とおしゃべりして、じゃあね、ばあい、と帰っていくお話。
花咲く一本道、山がそびえ、まっしろいくもが浮かんでいる風景の中を
彼等は歩きつづける。
のどかさとはうらはらに、なんと登場する彼等の個性の強いこと!それぞれのお店の店主には口があんぐりとしてしまう.....。
初版1970年の本だけれど、昔の絵には洗練されすぎない、どこかぶかっこうなところがあって、それが妙に胸をつかむものである。
のんびりと絵を楽しむのもいいけれど、文もつよい。
はじまりが、「きみたち、こぶたの ぶたぶたくん しってる?」である。
子供達の目がきらっとひかるのも当然のこと。
3人よれば、それぞれの立場もあるのか、こぐまくんが「あわてるな」とみんなをまとめるところは、ぷぷっ、となってしまう。
案外子供達の中でもおのおののキャラでやりあっているのかもしれない。
フウタがはじめてパン作りに参加した。
がぜんはりきった胡桃は、得体のしれないパンを作った。
「かおつきぱんの じょうとうぱん」を作ったんだ、とほこらしげである。
この本のパンやの「かおつきぱんの じょうとうぱん」も確かに得体が知れない....。
本の中にのどかさと、異様さと、楽しさがぎゅっとつまった一冊。
子供達とお話との距離感がまったく感じられない。
胡桃もなかなか面白い本を選ぶものだと、
ちょっと感心している。
03.3.12. |
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