アカマツの林をくぐりぬけて姿をあらわすここは、
まさに「館」というどっしりした風合いを持つ
大人のための絵本館である。
絵本にはそれぞれの世代での楽しみ方があるから、
このように子供や団体が入場できないところがあるのも、
不自然ではない。
児童のための本、絵そのものの価値、アート色強いデザイン本、ストーリーを楽しむモノ...。
本というたたずまいの中で、絵本に境界線はないのだから、
こういうある価値観での世界分けは、
おもしろいことかもしれない。
スーザン・バーレイの絵本原画展が行われていた。
2階には美しい洋書本がたくさん並んでいた。
(日本語版で親しんでいる絵本も、もともとの原本を手にしてみると、
すがすがしい気持ちで新たな発見をすることは多々ある。)
決して広くはない、コテージのようなところだけれど、
贅沢な場所だ。
「大人になってしまった人が ''かつてこどもだったこと'' を再確認する場として
この絵本館を作りました」(安曇野絵本館パンフより抜粋)
「絵本」の世界にふたたび足を踏み入れて間も無いわたしは、
まだまだ「絵本」に埋もれた自らの発掘作業中。
だけれど絵本への向き合い方も、
時を経て変化していくだろうという予感はある。
そんな節目節目を感じるときにまた訪れてみたい場所だ。
アンテイークの椅子にこしかけ、
野いちごの紅茶を口にふくみ、
テラスの向こうの曇り空を眺めながら
そんなふうに思った。
安曇野絵本館ホームページ http://www.ehonkan.net/
絵本日記TOP