「わたしがあかちゃんだったとき」
キャスリーン・アンホールト作 角野栄子訳 文化出版局
赤ちゃんの時の自分というのは、誰も知らない。
親の視点で残してあげることしかできない。
子に話してあげる「昔のこと」は、
いつまでもあたたかくありたいと思う。

アンホールトはこの本で、子供の育っていく過程の節々を、
やわらかいふくらみのある線と、淡い色見で包みながら、
実に丁寧に描いている。
パパやママが子供の何倍もふくよかなところも、
懐深く感じられて、
子供がすっかり安らいでいるのがわかる。

このおはなしは、子供の甘えたい気持ちを引出す効果もあるみたい。
「くるみちゃんもこうだった?」と、
読んでいる最中からしきりに聞いてくる胡桃である。

伝えていかなくてはいけないことがたくさんだあ、と実感する。
今は今に必死だけれど。

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ダンナの母が、「フウタそっくりだから」といって、
ダンナの幼い頃のアルバムを送ってくださった。



母からのアルバムの中で、あどけない顔で写る赤ちゃんも、
時を経て大きく成長し(笑)、
今日で20代最後の日を迎えた。
彼はいつも「30年経ったらフウタもオレみたいになるんだぞ」と
私をおどす...。
将来のフウタのお嫁さんのために、
今のフウタをしっかり私の視点で残してあげたい、と
切実に思う私なのであった。


03.04.16.
special thanks ....hano-san.
「輝きの季節」
ターシャ・テューダー絵・文/食野雅子訳 
メデイアファクトリー

「ねえ、おばあちゃま、ママがわたしくらいだったときのことを話して。」ではじまるお話。憧れのターシャの描くひと昔前の暮らしはどれも心から「美しい」と感じられる。おばあちゃんから聞くママの昔のことはさぞかし興味をそそられることに違いない。そして絵という形で暮らしの断片を残していける力を、心の底からうらやましく思う。



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