喜ぶ顔みたさに.....
子育て中の親は一種の魔法にかかっているように感じてならないのだけれど、
子供が喜びそうなイベントがあると知ると、連れていってしまうのですね。
期間限定、というとそれはある種義務のように感じられて、頑張ってしまうのですよね。
んな感じで、半日で仕事を切りあげてもらったパパと連れ立って、
おねえちゃんの大好きなキャラクター達がいっぱい、という会場まで、
一時間、車を走らせて出かけたわけです。
「わー」っと感激することに陶酔しているおねえちゃん...。
しかし我に返ると、なんか広いスペースをもてあましたようなモノ悲しい展示なのです。
受付のおねえちゃんの頭の上のとって付けたようなトナカイのツノの様に。
会場入り口には、木の枝や廃プラで作ったパチンコ台みたいなモノがどどーんとあって、
一回百円で子供の客引きをしていたりするのです。展示に全く関係がない。
他にも『オリジナルキーホルダーを作ろう』(実際はおじちゃんが全部やって子供は手出しができない)とか、
一回数百円で『おもちゃを釣ろう』とかいうコーナーがぽつんぽつんとあって、親から小銭をとるために必死なのであります。
(こういう状況で多くの場合、親は判断力が欠けてしまうのです。)
『自由に遊ぼう』というコーナーでは、おもちゃのおうちや人形が解放してあるのだけど、
見るも無惨な程にぐっちゃぐちゃで悲しくなってしまったのですが、
こっちは入場料を払っているのだ、という思いで胸がいっぱいのわたしは、
必死にこのコーナーで子供と遊んだのであります。
しかしふとまわりをみわたすと、お父様お母様方がそばの休憩所で
ぽけーっと子供が遊び終わるのを待っている。
それでも着ぐるみ登場のときは、かあちゃんは必死で走って写真をとってあげるわけです。
ところが、フウタが健気に『ばいばーい』と手をふっているというのに、
あろうことかこの着ぐるみちゃんは、脚や手をぼりぼり掻き、だるそうに座りだしたのであります。
あわてて子供を連れてその場を立ち去る。
なんだかわからないけど、帰りの車の中はしばらく無言でした。
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こんなんでも、次の日子供達は登園一番、そろって先生に「たのしかった!」と御報告するのです。
そんな子供の姿を見て、また私は懲りもせずイベントチェックをするのであります。
ああ、まさに魔法にかかっている状態。
子供を囲むサービス業界のレベルアップを切実に訴えたい......。
2004.12.13.