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繕う





我家の息子様、ズボンのひざを見事に擦りきって家に帰ってくる。
男の子と女の子の差はこういうものかと思うのだが、
息子はいつもお古なのかわからないような上等のおさがりをいただくので、
子供服の循環が我家で止まって申し訳ないような気持ちである。

小学校2年生のときの記憶。
夏休み前のクラスの発表会で、我がグループの出し物が全く決まらず、
班長だった私は責任を感じたのか、
「わたしがブタの役になるから、みんな逃げて。」という
今思えばがくぜんとする位程度の低い突発性の劇をすることとなり、
当日わたしはブーブーいいながら教室をはいずりまわったのだった。
どっとクラスが湧いたのをいいことに、興奮状態が続き、
はっと我にかえると、着ていたワンピースが見るも無惨に
腹のところから大きくやぶれてしまっていた。

劇のあと、教室の隅で先生がやぶれたワンピースを
小さな安全ピンをいっぱい使ってとめ直してくれたのだが、
あの時の先生のどう慰めてよいのかわからないような表情を思い出すと
今でも自分であきれかえってしまう。

裸で平気で走り回る今の息子くらいのときに、
服がやぶれる程いっぱい遊び回ってくるのは、
ほほえましいことではないか.....。

そう思いながらも複雑な気持ちで破れたズボンを繕うわたしであった。


2004.11.22










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