もみじ
毎年楽しみにしている、村のお堂のもみじです。
山の家に暮らしている時、毎日この木の前を通って山をおりていました。
山の裏手の古びたお堂で、ひとがいたためしがないのですが、
その静けさと、木自体の品のある佇まいが好きで、
わたしの中でナンバーワンのもみじになっています。
はらはらと風に舞うもみじの葉の赤と、
落ち葉のこげ茶色と、
夕日をうけるクローバーの緑の中で、
しいの実を拾い集める娘。
6年前、私達はまだ京都に住んでいたのですが、
信州に移ることを思い描いていて、主人と村の下見に来たのがこの日でした。
空気は冷たく澄んで、燃えるように紅葉した木々の合間にあるあちこちの畑で、
ぽつんぽつんと畑しごとに勤しむ人たちがいました。
こんな穏やかであたたかい風景の中で暮らしていけるなら、
どんな苦労もいとわない、と思いました。
それからこの村に移住して、いろんなことがあったなあ、と思います。
山々の大きな懐に匹敵する位、村の人達にもあたたかく受け入れてもらい、
その時生後3ヶ月だった娘も、その後生まれた息子も、
多くの方々に支えてもらいながら元気に成長している。
ホームページを通してたくさんの方々と繋がりを持つことができ、
モノ作りをして暮らしていくようになり、3年。
MWC.WORKSHOPはまた新たにサイトを立ち上げて送りだすことができました。
この季節は、私達の節目です。
ここに来てからの日々は私達のかけがえのない財産であり、
これからも紅葉の季節には、たちどまって、
自分達の歩んできた道を振り返っていきたいと思っています。
2004.11.3