day&day scrup 2004.5/1〜.
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2004.5.11   “一期一会”



弦楽器のフォルムというのは美しいものだなあ、と見とれてしまう。
ふくよかなボデイの中心を、細いネックがすーっと貫く。
なにより、弦が張っていることの緊張感。
鍵盤とは全く違う振動が、指や体を通して伝わってくる。

わたしは今まで比較的音楽を身近にして暮らしてきた方だと思うのだけれど、
“弦楽器”というものを一切弾くことができない。
家にはダンナの財産であるウッドベースやエレキベース、アコースティックギターなどあるのだけれど、
それがわたしにとっては飾りモノのように見えるだけなのが、もったいないなあと思ってしまう。

先日放送されたNHKのETV特集で、
岐阜県可児市の老舗ギター工場『ヤイリ』が、BEGINのメンバーと共に
新しいギターを作り上げるまでのドキュメントを見た。
「楽器はもっと楽しいもの。
音楽にたいして、みんな受け身だと思う。買うもの、聞くもの、になっている。
もっと自由に暮らしの中に楽器を取り込んで、うたい、演奏し、踊り、
音楽を身近に感じられるようになれば、もっともっと日本は明るくなるだろうに」
....なんてコトをBEGINのボーカル(ギター)の比嘉栄昇さんは言っていた。

そうだよな、わたしにはギターってむずかしい、と敷き居作ってるよな。
憧れだけは持ち続けているのに。でもむずかしいんだよな。.....。

ヤイリの新しく作った楽器“一期一会”と“音来(にらい)”は、
比嘉さんが『沖縄の三線の上に一本弦をつけたら、おもしろい楽器ができたぞ』と考えだした、
民族楽器や通常の6弦ギターの要素をうまく合わせ持つ新ギターだ。
4本の弦をいっしょに押さえるだけでコードが出来上がる。
取材中のNHKの森田美由紀アナウンサーが、ギターを弾いたことがないというのに、
比嘉さんの歌う名曲「涙そうそう」にあわせて一発でコードをつけて演奏することができたのには、
感激してしまった。

『音楽』というその存在自体が充分に自由なモノだと思っていたけれど、
それでもしらずしらずのうちに枠にはまっている部分ってあるのかもしれない。
おだやかな口調で“音楽の解放”を語るBEGINのメンバーをみていて、
自分のペースや気分に逆らっていない考え方が実に沖縄らしいと思った。

というわけで、近頃楽器熱がふつふつと湧いてきている私である。

**ダンナが問いあわせたところ、“一期一会”と“音来(にらい)”は
注文日が一日ずれただけで、納期が数カ月かわってくるほどの人気だという。




2004.5.8   創作という自由

こどもたちを連れて、アートスクールの見学に行った。
『アートスクール』といっても、なんてことない。
自由に絵を描いたり、かたちをつくったりしているフリースペースだ。

教室にはいると、すでに数人の小学生がイーゼルを前に油絵を描いている。
がくぶちを作っているコもいる。コケ玉をレイアウトして準備しているコもいる。
クルミが「わたしも描きたい」というので、先生にお願いする。

先生は「座って描くのと、立って描くのとどっちがいい?」といって、
パステルと水彩絵の具と画用紙を用意してくれた。
クルミは当然とばかりに、イーゼルの前に立った。
「すきに描いていいよ」と先生に声をかけられ、1時間。
一度もわたしの方に来ることなく、いちまいの絵を仕上げた。

全体は淡い黄色の絵の具でぬりつぶしてある。
まんなかに、パステルで描いた女のコがひとり。
まわりを囲むように、まるでジェリービーンズのようなカラフルな色の“まる”がたくさんある。
クルミはTシャツにいっぱい絵の具をつけていて、
『ママが雪の中であそんでるの』と真顔でわたしに言った。

すごいなあ、と思う。

“習い事”ということばが、クルミについてはあまりしっくりこない。
とくに何かを創るということに関しては、彼女ははさみとセロテープさえあれば、
うさぎやおうちやオシャレアイテムに至るまで何でも作り上げてしまうので、
親として、何かを習わせるというより、きっかけや環境を作ってあげれたら、と思ってしまう。
そしてこの「アートスクール」の一見“なんてことない”雰囲気って大切だと思った。
20年以上も前、美大卒業後村に来たというこの先生ご夫婦のことは、数年前から知っていたのだけれど、
教室をやっていて、技術を指導する、という形にこだわらない自由さを保つことって、
逆に難しいのではないかと思う。
その空気はクルミにとっても合っているような気がした。

本人が興味をもたなくなったらそれまでだけれど、
しばらく通ってみようかな、と思っている。

ちなみにクルミが絵を描いているあいだ、
フウタは教室の片隅で、わたしのヒザの上に座り、
ひそひそ声で、置いてあった絵本をよんでとせがみっぱなしだった。
(かたっぽの手をわたしの胸元に入れながら...苦笑)
姉弟でも、それぞれの性格って全く違うモノである。笑





2004.5.6  ばたばたとGW終わる

GW後半、39度を越える熱を出して「おなかいたいいたい」と苦しんでいたクルミだけれど、
次の日東京のじいじとばあばがうちに遊びにきてくれる、となって、一日で回復。
フウタが産まれた時以来の来宅で、村中あちこちをドライブし、両親も懐かしく楽しんでくれたようだ。
以前暮らしていた山の家の庭に、母はたくさんの草花を植えてくれたのだけれど、
再びそこを訪れ、今も健在のギボウシやクリスマスローズを指差しては喜んでいた。
やはり山の家でスタートした村暮らしは、私達の原点だなあ、と
その時期を知っている母の前で、あらためて実感した。
(過去を知っているひとの存在というのは、大きいモノだ。)

連休明け。すがすがしい真っ青な空が広がった。
クルミもフウタも、どことなしにすっきりした顔で幼稚園へ行った。
やっぱりふたんのリズムは心地がよい....。




2004.5.3  村散策



GWの間、村の人口は急増するので、気持が浮き立つ。
毎年虫倉山の開山祭にあわせて、村のあちこちでの催しものが行われる。
いく場所場所で、地元の味三昧となる。
おやきを食べ、うすやきを食べ、わたあめを食べ、きのこ汁を食べ、つきたてのお餅を食べ......。
村が村らしく(背伸びせず)、地の文化の中で人々をもてなしている。
やはり地に根付くひとの強さにはかなわないなあ、と思ってしまう。




2004.5.2  わたしはモルモット。ぼくは恐竜。



熱を出しているダンナを置いて、こどもたちとどうぶつえん&恐竜公園へ行く。
クルミは犬が通ると自分から近寄っていくコである。
どうぶつえんではモルモットを抱っこするのに必死になっていた。
(フウタはヒステリーを起こしながら逃げている始末だけれど...。)
アレルギっコなのでペットを飼うことは敬遠しているけれど、
クルミからは『どうぶつ達が大好き』というオーラがばんばん出ているので、
ときどき触れあう機会を持たせてあげたいなあ、と思う。
(先日クルミが幼稚園で『パパにブタを飼ってもらうんだ』と豪語していたと先生から御報告を受けた...。笑)

こわがりフウタも、動かないモノなら大丈夫。
恐竜公園は、いろんな恐竜で遊べるような施設になっていて、
恐竜のお腹の下に空いた穴から体内に侵入し(!)、口の中に入ったりしっぽからすべったり。
それにしても恐竜の名前を見事に言ってのけるのにはびっくりだ。
仮面ライダー図鑑を見ていても、すらすらとライダーの名前がでてくる。
完全に趣味思考がダンナの影響である....。





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