用事があって、ひとりで東京に行くことになりました。
せっかくだから泊まっておいで、とダンナが言ってくれました。


自分はこういうことにはクールな方だと思っていたのです。
胡桃をはじめて託児所に預けるときには、
家に帰ってからも落ち着かなくて泣きそうになったりしていたけれど、
それから時もだいぶたったし、
フウタも1歳半から託児所にお願いしているし。

『明日ママとおくにいってくるね。
一コ寝たらママ帰ってくるからね。』
そう子供に伝えると、
胡桃は歯をくいしばりながら泣きました。


“おねえちゃんだからちゃんとフウタの面倒みてあげてね”とは
とても言えませんでした。




東京は2年半ぶりでした。
暮らしていたのはもう10年以上も前なのだということにはっとしました。
久しぶりに会った母や弟達と食事をしたり、
あちこち廻ったりしました。
帰りには雪がちらついていました。




長野に戻ると、家族が迎えにきてくれました。
胡桃とフウタは、
ちょっと顔をそらしながら抱きついてきました。


一日ぶりの夕ご飯のテーブルで、
『やっとみんなそろったね』と胡桃が言いました。



フウタのことで託児所の先生にぼそっと相談したときのこと。
フウタは、おしっこを立て続けに失敗してしまったり、
仲良しのお友達が託児所お休みだとぐずぐずしたり、
おはしがまだ使えなかったりするのだけれど、
先生は『まだまだ何も心配することはないと思います。
それよりも、ちょっとした成長や、大好きなお友達がいたりすることを、
たくさん褒めてあげるほうが大事』と言ってくださいました。



柳美里原作の映画「命」をテレビで観ました。
彼女の著作を読んだり、ドキュメントをみたりしてもいつも感じるのは、
「家族のかたち」について、私自身もいつも問うているところがある、ということです。



わたしの存在はやはり、「家族」の中にあり、
「こども」によって支えられているのでした。





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