朝、家族を送り出しながら、さといもを煮た。
土を落とし、皮をむいて、茹でこぼして、出汁とって、
洗濯そうじしながら、30分くらいことこと煮た。
今、鉢に入れて冷蔵庫で冷やしている。夜冷えたお芋を食べるのがたのしみである。

もう9月も4日をすぎている。煮物をしたのがあまりに久しぶりだったので、久しぶりにほっとしている。
ああ夏も終わったか、と自分がようやく正気を取り戻してきたような気がして、ほんとにほっとしている。

夏の間、息子は野球の4つの大きな大会を経験し、そのサポートをしながら、
私は育成会長職でなつまつりの運営に関わり、地元野球大会の来賓となり、草刈り等予定立てをし、
記念誌編集に関わり、秋の野球大会運営に関わり、放任しておいた娘と旅行をし、
よくやったというか、記憶がないが、
随分と家のことを放棄した。ほんとに放棄した。こんなに放棄したのは初めてだ。
今朝、煮物ができて、ほっとしている。
早いランニングマシーンの上を汗水垂らして走っていた中、
マシーンのペースが超ゆっくりになってくれたような感じだ。へんなたとえだけど。

もともといろんな物事を並行していくのが苦手なのもあって、実務として慌ただしかったのものあるし、
4時代起床が続き体が疲労していたのもあるけど、やっぱり気持ちだと思う。
とくに息子の野球に関わることが浮き沈み激しく、
それが家族単位でもあったり、また私がスポーツ界の感覚に慣れていないこともあって、
随分と気持ちが疲労した。娘もとばっちりをうけてしんどかったとおもう。

息子はふがいなかったとこ多々あり、怒られ当然、親もなんとか息子をちゃんとさせようと思ってしまって
彼の姿勢がダメだダメだ、と周りにいわれて、そのとおりだと親も叱咤するのだが、
なんかふっとしたときに、正直な本音に気付く。
母として、根っこの部分では「ほんとによくがんばってる」とおもっている。
もっとがんばっている子もいるし、もっと結果ださなきゃいけないと思うけど、
母としては本能的に、褒めたい、なでたい、と思っている。
でもそれがほんとに彼のためになるのかという葛藤もあり、その気持ちを押さえ、
彼はダメが続き叱り叱られるのだが、息子は叱られて叱られてしても、
野球と仲間が好きで野球を辞めようとしない。

昨日息子といっしょに、彼がずっとずっとほしいといっていたiPodnanoを買いに行った。
買ってあげようってお父さんと相談して決めたよ、と息子に言ったとき、
息子は「うそでしょ?」と信じなかったのだけど、
買ってもらってとっても興奮し喜んでいた。
ありがとうありがとうと言って嬉しそうな満面の笑みを何度も何度もみせてくれた。

こういう親の葛藤は、年のはじめから今年は、と覚悟している。
子供の小学校時代にかかわっていくのは今年で最後だ。育成会仕事だって最後だ。
もうぶれるのは終わり。自分のことも大事にして、腰をすえて日々を過ごしていこうと思っている。
随分と涼しくもなってきて、夏と秋の境目を感じ、
大事なことも、好きなことも、ちょっと落ち着きを取り戻して再確認できそうな気がしている。

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012.9.4








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