美篶堂さんのワークショップに参加する。
美篶堂は手製本の会社。東京お茶の水にお店、信州伊那に工場がある。
今回は長野の工場長、上島真一さんの出張教室だ。頭に“本”の柄のてぬぐいを巻いておられる。
テレビや書籍でお見かけするときも、いつも頭は本柄のてぬぐい巻き。トレードマークなのかな。
安曇野のギャラリー・シュタイネさんの石壁の展示室が会場となる。心地よい緊張感!
8月のあいだに、メモ帳を使った豆本作りや、スケッチブック作り、和綴じの本作りなど
いろいろなワークショップがひらかれていたのだけれど、
わたしが参加したのは、「本の型をした紙のくるみ箱」作りのワークショップ。
本の表紙をひらくと中が箱になっている、という構造の紙箱だ。
材料のボール紙、板紙、くるみ紙、ボンドや刷毛、はさみ、手ふき、仮止め用のマスキングテープまで
カットした状態で用意してくださっているものの、仕上げまでたっぷり2時間半かかった。
蓋がみずいろ、ボディが黒、箱の中は茶いろのシンプルな箱が完成。
たかが箱、されど箱だ。
構造がわかったから、しきりをつけられたらアクセサリーボックスがつくれるな.....
仕事のシールやタグをわける箱もつくりたいな.....
大切な葉書やDM、お手紙入れもいいな.....と妄想がふくらむ。
長年美しい本を作り続け、技術と職人技を守る世界にありながら、
ワークショップを通じて、プロから趣味の人にまで製本のたのしみを広げてられて、
遊びごころも大事にされていて、
(シュタイネさんで扱ってくださっている、ダンナ作の木製豆本ミニプレスや、パルプ&ペーパー柄の切手をフレーミングしたミニ額をとっても気に入ってくださっていたのだ!)
開かれている安心感が心地よかった。
お茶の水店主、上島明子さんが、わたし作の“スプーンができるまで”の豆本もほめてくださって、ちょっとしたアドバイスもくださって、わたしも疑問に感じていたことなどご相談させてもらったり、贅沢な時間を過ごさせていただいた。
シュタイネさんは、自分たちの仕事は人と人とをつなぐ仕事、とおっしゃられていて、その通り、いろいろな方とのつながりをいただく。いつもシュタイネさんは“スプーンをお求めくださった方が...”とか“時計を気に入られていた方が..."とかお客様のことも丁寧にお知らせくださる。ありがたい。
2010.8.30
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