イラストレーター/デザイナーの松本加代子さんの展示会にあしをはこび、
松本さんとゆっくりお話させていただきました。
松本さんは18年の間、こどものふと発したつぶやきを
大切に書き留めていらして、昨年の九月にはそれを出版されています。
「子どもが求めていることは、大人も求めていることかもしれません。」
と裏帯にあります。
短いその一言をききのがさないようにするには、親の心構えも大事で、
だからこそ、発せられた言葉はきらきらとしていて、大人の琴線に触れるのでしょう。
我が上の娘は10歳ですが、それ以降どんどんおとなになっていく
松本さんの娘さんと息子さんの言葉に心が揺れました。
幼い頃の子供はむじゃきに愛らしい純粋無垢な言葉を発し親も暖かな気持ちになるものですが、
ある程度大きくなってからも、その年代だからこそのはっとするつぶやきは発せられるもので、
それをこのように大切にひろえる松本さんがすごいなあ、と心から思いますし、
私もこれからの子供との会話を大切にしたいなあ、とおもいました。
展示会には、松本さんのつぶやきの作品の他に、たくさんの豆本、手製本が展示されていました。
ストーリーはちょっとシュールで、それが小気味よく、
豆本、手製本ならではの革やレース、箱などを使った作品の自由な世界観がたのしく、
松本さんご自身も「本をつくることが楽しくてしょうがないんです。」とおだやかな口調で
おっしゃっておられて、さわやかなエネルギーをいただくことができました。
2009.5.20