「白雪姫」
高津美保子・文 山本容子・絵 ほるぷ出版



リフレッシュ休暇と称し、安曇野の「森のおうち」での絵本原画展に足を運びました。

くつやのマルチン」「マッチうりの少女」などのバーナテッドの絵を所蔵しているこの絵本館。
美術館と家庭の間みたいなくつろげる雰囲気も好きな場所です。(以前の日記
今回の所蔵展で、この「白雪姫」で使われる山本容子さんの原画の展示もあったのでした。

”世界みんわ絵本”というシリーズの一環で、ドイツの民話として紹介されているのですが、
ディズニーのしらゆきひめになれている私達にとっては、
山本容子さんの絵と高津美保子さんの構成文章のバランスに、
はっとさせられるとおもいます。

本を読む行為は、音もなくて、うごきもなくて、静かなものです。
本の中でくりひろげられる展開、とくに民話は、
淡々とし、どこか残酷めいたにおいがただよっているもので、感覚が冷静になります。
そんな中、どくどくとお話が体に入ってきます。
文字も絵も山本容子さんの銅版画で構成されているこの本はとくに、
絶妙なバランスでアートになっています。
こびとのシュールな表情、おきさきの毒々しい大人の美しさ、
ひつぎの中の白雪姫、お城でおどる姫と王子。
どのページも飾っておきたい作品。



2009/1/25



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