「いいからいいから」
長谷川義史作 絵本館


ページをひらくと、一面におおきな掛け軸。
「いいからいいから」と立派な文字が描いてあります。
そう、作者の大切にしている言葉で、この本で何度も唱えられる言葉です。

おじいちゃんは、突然おとずれたかみなりのおやこを
「いいからいいから」とでむかえます。
「いいからいいから」とお風呂にさそい
おへそをとられてしまっても「いいからいいから」とすまします。

「いいからいいから」いい言葉。
究極の受容ですよね。
ユーモアたっぷりで、読み終わるとにっこりしてしまいます。
なんども「いいからいいから」がくりかえされるからでしょうね。
ああ、こんなふうにおおらかな心持ちでありたい。
こんなふうにうけとめられたいし、こんなお母さんでありたい。

最後のページには、おじいさんが今度は”おばけ”をお出迎えしている絵。
おじいさんは、おばけまでも「いいからいいから」と出迎えるのでしょうか。
おたのしみは2巻で!

以前小学校の全校読み聞かせの会で、長谷川義史さんの「いろはのかるた奉行」をよみました。
子供達がげらげらと笑ってくれたのがとってもうれしかった。

長谷川さんの絵本は、豪快で、でもほろりとさせどころがあって、
読んできかせてやっているととても楽しいです。



2008.12.10



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