”表現”している人に惹かれます。
門戸をひらいてくれているという安心感でしょうか。
こちらの縛りをほどいてくれる気がします。
今年は朗読家おつきゆきえさんのおはなし会に、二度足を運びました。
高速バスにのり、びゅーんと東京恵比寿へ。
以前個展でお世話になったホツミギャラリーのほつみさんの企画です。
9月には「ほんたうのたべものや おつきゆきえさんの宮沢賢治朗読会」
とうめいですきとおった見事な言葉の結集、注文の多い料理店「序」ではじまった会は、
「どんぐりと山猫」
「やまなし」
「紫紺染めについて」
と繰り広げられました。
丁寧に慈しむように賢治のお話話されるおつきさんの声を通じて
ちいさなスペースのみんなが一体になる。
賢治が空気にとけ込んで浮遊しているようでした。
会終了後おつきさんを囲んでおいしいお茶とお菓子をいただいて、
賢治とおつきさんの出会いなど熱弁(これも見事なパフォーマンスに思える)を聴いて、
美しい話をまたひとつ聞かせていただいたような気持ちでした。
11月には「大人のためのおつきゆきえさんの絵本の会」
”受容”をテーマに5冊の本を語ってくださりました。
「もけらもけら」
「ダイアナと大きなサイ」
「月夜のみみずく」
「パパはジョニーっていうんだ」
「きみにしつもん」
笑いと涙で心をいっぱいに満たすことができました。
おつきさんのオーラ自体が受容力にみちていて、
心の深い深い部分を優しくかつユーモアたっぷりにほぐしてくれます。
「もけらもけら」の音の迫力には衝撃をうけました。
本自身がとびはねて喜んでいるように思えました。
「パパはジョニーっていうんだ」は初めて知りましたが、
自らの心にかさなり涙がとまりませんでした。
「月夜のみみずく」は、雪にうもれた冬をこれから迎えようとしている時で、
たくましく感性豊かに育つ子供と父の姿に胸をうたれました。
ほつみさんが出してくださった、岩手の臼杵農園のseed クッキーもおいしかった。
朗読は音の芸術。耳と目をとおして体に力がめぐります。
おいしいお茶とお菓子がまたその幸せを増大させてくれる。
ほんもののMapleWalnutsCAFEを開くことができたら、
いつかおつきさんにいらしていただいて、朗読会を開いていただくのが私の夢です。
おつきさんのお話を栄養とすることができるひとが、わたしの周りにもたくさんいると確信しているし、
おつきさんとお客さんとで、しあわせな空気をつくりたい。
考えるととてもわくわくして仕方がないのです。
2008.12.8
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