小学校のよみきかせの会の課外活動(?)で、中学校に出前にいってきました....。

「中学で?!」
まだろくによみきかせ活動をしていないのに、
中学生前にどうすればいいの....と半分辞退しようかとおもっていたのだけど、
「すてきな三にんぐみ、えみちゃんどお? いってみよーッ。」の友人たちにのせられ、
あれよあれよと参加させてもらうことに。

でも村の中学生たち、小学校時分から、
よみきかせの会のおはなし会を沢山みてきているわけで、
とても素直におはなしを聞いてくれたのでした。
“○○ちゃん、あんなおっきくなったの〜?”
“親より背たかくなってるじゃん〜。”
長年かかわりをもっている村の子供達の成長した姿をみる目は、すっかり親気分です。笑


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まずは大型絵本で。
我が娘が幼稚園の頃から大好きな本で、おりがみで“らっぱじゅう”や“こしょうふきつけ”“おおまさかり”を作って
戦いをいどまれたことをおもいだします。
こどもたちは成長とともに絵本とは疎遠になってくる。
ましてや勉強に部活に忙しい中学生、絵本をよむことはまれになっているでしょう。
そんな中で絵本を懐かしくおもいだしながら、と導入としてのセレクト。
毎晩まっくら闇を襲撃してまわり、隠れ家の山へ金銀宝石をためこむ三人の盗賊が、
ひとりのおんなのこに出会い、善意ある盗賊となっていくおはなしは、
その余韻にてれくささがなく、(盗賊たちのヒールさのなせる技!)
あらためて中学生の前でよんでもたのしかった。


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続いて、スクリーンにスライドを写して三連発。
「さる・くる」「さる・ける」「さる・とる」「さる・うる」......”
トボケたおさるの一日....。笑
言葉遊びが絶妙の、五味太郎さんらしい大人もはまるロングセラー絵本たちです。
「バク・ククク」は“「バク・トーク」「バク・クック」....”と展開が英語で、
またバク奥さんにこきつかわれるバクご主人にどこか哀愁も感じるので、
中学生むきかな!



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お次は落語「つる」「平林」をふたりでかけあい。
上手なんだなあ、みんな。

「つる」は、なんでつるはつるという名前になったか、それは雄が「つーっ」と飛んで来て、
雌が「るーっ」と飛んで来たから、とかというのを吹聴してまわろうとするけどうまくいかないお話。

「平林」は、ひらばやしさんにお手紙を届けるのを仰せつかった小僧さんが、
平林の読み方がわかんなくなってしまって、聞いてまわるのだけど、
“ひらりん”だとか、漢字を分解して「一・八・十のもくもく」とか、
みんなとんちんかんに教えてしまう、という滑稽話。
最後には“ひとつとやっつでとっきっき”なんてなる始末。なんか楽しくなってしまう響き。笑


(※落語っておもしろいな、いっぱい聞きたいな、とのちに思ってレンタルCD店によりました。
結構あるのですね。順次楽しんでいこうとおもっています。
初回は気持ち奪われきみまろ師匠のCDを借りてしまった....。でもきみまろ師匠もおもしろいーッ。)


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最後、スクリーンスライドショーにて。


独りぼっちの鬼は、自分の島を引きながら海をさまよい、
あそんでいけ〜、と声をかけ続けるのですが、
鬼のいる島なんて、だれもきてくれません。
ある嵐の夜、漁船が助けを求めてやってきたのだけど、
人間と一緒に暮らす方法を教えてもらうのだけど、
鬼はどこに行っても話も聞いてももらえず、追い出されてしまう。
えーんやこら。
えーんやこら。
海の中を、どこまでも鬼はさまよい続けるのでした。

「なんぼか むかしの はなしじゃそうな。」ではじまるおはなし。
鬼は「おーい、こちゃきて あそんでいけ!」といい続けるのです。
せつない余韻がことばの響きとなって染み渡ります。

広島県の敷島に伝わる民話を、山下明生さんが再構成されたものだそう。
『ないた赤おに」もそうだけど、大きな図体をした純朴な鬼のその風貌ゆえの不条理な境遇のお話は、
いつ聞いても胸がちくっとしていたたまれなくなる。

ゆったりとした話口で、みなさんとても表情ゆたかに読み上げるのでした。



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おはなし会も無事おわり、校長先生とおはなしをしました。
地元の方々が学校に積極的にかかわりをもっていくことの相互の重要性を語っておられました。
絵本やものがたりを仲介にして、ひととつながれること、
そのうれしさを毎回実感しています。





2008.7.10



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