「レイチェルのバラ」
バーナテッド・ワッツ/絵 カレン・クリステンセン/文 西村書店


あたたかくなり、
庭の木や土の手入れをするような気持ちになってきて、
がんばって庭の草採りにはげんでいる今日この頃。
いいグランドカバーになってると思っていたクローバーだけど、
あんなかわいらしい様相でいながら、案外根が深くつよいのに悪戦苦闘。
太くてしっかりした茎で触手をひろげながら増殖していくのですね...。

土いじりは気持ちいい。
ふだん使っているのと違う脳をつかってるな、とおもう。それが気持ちいいです。

こどもたちも手伝いをさせて!といいだして、
(トムソーヤのペンキ塗りのお話じゃないけれど、
なんかもくもくとやってたら、楽しそうに見えてやりたくなってしまうんだろな。)
はりきって草とりをはじめ、そのうち汗拭き用のタオルも人数分配りだし、
しまいには休憩用のおかしやおみずまで用意して、
草とりをイベントのように楽しんでいる姉弟でした。

庭の桜の木はもうすっかり葉が濃緑になって、風をうけてさわさわいっている。
そのまわりに植えたのは、金魚草やナデシコ、ミリオンベル、etc...。
野菜ゾーンには、ナス、トマト、オクラ、伏見トウガラシ、シソを少々。
ほんとに笑ってしまうほどほそぼそとなのだけど、
姉弟ともに学校で花の苗植えや畑作りをずいぶんと体験しているので、
「この土はもっと盛って」とか「マルチはらないの?」とかいってくるのでした。
マルチはらなきゃいけない? 笑


その日、娘が宿題の日記に、
「はやく野菜の実がなってほしいし、食べたいです。楽しみです。」と書いていて、
この「レイチェルのバラ」をふとおもいだしました。


おばあちゃんがプレゼントしてくれたばらの花束。
かびんにいけて、毎日お世話をし、水のようすをみるレイチェル。
そのうちあたまを垂れ、枯れてしまったバラをみて、
レイチェルはかなしくてわあわあないていまう。
お母さんとレイチェルは、植木屋さんでバラの苗木をかい、
レイチェルの部屋のまどのしたの庭に植えたのでした。
秋を越し、冬の雪の中でじっと力をたくわえ、
春になると、バラの苗木からは小さなくしゃくしゃの若芽がでました。
レイチェルはまいにちまいにちバラが咲くのをまっています。
とうとうつぼみがぱんぱんにふくらんで、
6月のある朝、レイチェルのばらが咲きました。


バーナテッドワッツの絵は、紙の質感が伝わってきて、優しいかんじがします。
季節の温度があたたかく伝わるワッツの絵がとてもすきです。
ピンクのバラ、素朴でかわいい。
バラにかおをよせて、むねいっぱいにかおりをすいこむレイチェルの気持ち、
よくわかります。しあわせな瞬間だったでしょう。
絵本全体が土や太陽の色を帯びていて、ぬくたく、心地よく、
バラが咲くのを楽しみにしているレイチェルがとってもすなおで
心がぽかぽかしてくる本です。


さて、うち庭の野菜は、無事実をつけるでしょうか...。
レイチェルのように、娘は実がなるのをとってもたのしみにしている。
たいせつに見守らなくては。


みんなで庭の様子を眺めて、
まだ咲かない、ちょっと大きくなった、とか話をするのがたのしいです。
朝ごはんのとき、学校からかえってきたとき、おやすみの日、
手をいれている庭をみんなで眺めるのは、心が潤うなあ。
今更ながら(今までに反省をこめて!)おもうのでした。



2008.5.21



絵本日記TOP