サックスがやりたいというのは、小学生の頃からの夢だった。

そのサックス教室に通いはじめた。
うれしくてうれしくて仕方がない。
体の中の細胞が目覚めてくる感じがする。
エネルギーが体の中に流れ込んでくる気がする。








見学にいったときの興奮が忘れられなかった。

バンドレン?そう、リードだよ....。
スワブね.....グリスね....ポリッシュね......。
そうだよそうだよ。
マウスピースの深さでピッチあわせるんだ....。
譜面台、チューナー、メトロノーム。
ほんとに小さなことなんだけど、
なつかしくてなつかしくて、内なる細胞が目覚めてくる。
音楽の世界の中にいたころの自分の細胞は、
消滅してしまったんじゃない......眠っていただけなんだ。

楽器をお借りして、はじめて先生にレッスンを受ける。
はじめてのサックス。
組み立てから持ち方から、手取り足取り教えていただく。
マウスピースをくわえる。
リードの味、リードが入っているプラスチックケースにさえ感激する。
音、出た!出たよ!
クラリネット吹いていたころの感覚、口が覚えてる....涙。
指をおく。音が出る...。
フレーズをふいてみる。先生がハモってくれる。

感無量....。




サックスをやりたいと夢見ていた自分に気づけたこと、そして
最初の一歩をふみだせたことがほんとうにうれしい。
気力がよみがえってくる。
枯れていた泉にどんどん水が満たされていく。




2007.7.30




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