いつも納品書に -Special Thanks -と書いている。
梱包に入るまえの精神統一のようなモノ。
いつからこの言葉を書きはじめたのだろう。
もう幾千ものSpecial Thanksを書き続けてきたとおもう。


NHKのプロフェッショナルという番組で、
宮大工の棟梁の仕事ぶりを追ったドキュメントをやっていた。
見た後すがすがしい余韻があり、元気がでてきた。
技のすごさはもちろん、
仕事における精神の置き方にひじょうに学ばせられ、胸をうたれた。
文化財相手、暴れる木相手の仕事の重圧は計り知れないが、
しかしそれを、穏やかな表情で、人間としての器の深さで乗り越え、
真摯に取り組み、経験を積んで来たひとの美しさと優しさを存分に感じさせてもらった。


主人はWORKSHOPで家具をつくる際、
最終的なバランス、面の取り方、仕上げなどは、
全面的におまかせします、とお客様に言っていただくときが、
ほんとうに嬉しい、という。
主人自身、思い入れのない仕事をしてきたことはひとつもない、と
私は傍らにいておもう。
テーブルウエアでも家具でも、
信頼関係でお仕事をさせてもらっている感謝のきもちを
わたしはSpecialThanksという言葉に込めて記しているつもりだ。


今このときも、
WORKSHOPのテーブルウエアや家具を注文し、
楽しみにまってくださる方がいる。
手にとり、大切につかってくださり、メッセージをくださる方がいる。
互いに助け合い、がんばりたいとおもう。



2007.6.13



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